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【600人の男を葬った化粧水】DVに苦しむ女性を救った毒薬アクア・トファーナ
概要
17世紀のイタリアで、女性たちの間に密かに広まった毒薬があった。
「アクア・トファーナ」と呼ばれるその液体は、無色無臭で化粧品のように装われ、夫や父の食事に混ぜても気づかれることはなかった。
この毒薬を生み出したのは、ジュリア・トファーナ。
家庭内暴力に苦しむ女性たちに「未亡人になる道」を与えるため、彼女は毒を売り、使い方や振る舞いまで指導していたという。
わずか数滴で自然死を装うことができるその毒は、約18年の間に600人以上の男性を死に至らしめたと伝えられている。
当時のイタリア社会では、女性は結婚によって支配され、逃げ場を持たない存在だった。
ジュリアの毒薬は、そうした抑圧から抜け出すための最後の手段として受け入れられていったのである。
毒薬か、救済か。
アクア・トファーナは、封建社会に生きた女性たちの切実な現実を映し出す存在だった。

